• 仕事は幾つあってもいい!100年時代のビジネスライフ 3

仕事は幾つあってもいい!100年時代のビジネスライフ 3

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人生90年を見据え、50歳で迎えた転機。外資系キャリアウーマンからアートディーラーに転身した坂本澄子さん54才③

直面するビジネスの難しさ、これからの夢

第一回展示会を終えた後も、渋谷東急Bunkamuraなどで次々と展示会を敢行し、快進撃を続けるかのように見えたが、翌年の一周年記念展では思わぬ苦戦を強いられることとなった。

土日2日間だけの開催を狙い撃ちしたかのような記録的な大雨。
会場を訪れる人はほとんどいなかった。
自分が惚れ込んだアートはきっと他の人も気に入ってくれるはず。
そんな「想い入れ」だけで突っ走った一年だったが、根本から考え直さなければならないと痛感した。

主力作品が5~6万円、ガルーのような著名作家でも50万円程度という価格帯で、一点一点個人売りするには限界がある。
そこで、次に手がけたのがパートナリングだった。
絵を購入する最大のきっかけであるマイホーム。
その市場に関係する企業に片っ端から売り込んだ。
マンションの販売会社、住宅展示場、家具ショップ… 。
しかし、会社という金看板がなくなった今、自分という人間を信頼してもらうのは並大抵ではない。

二科展初入選作品-坂本澄子氏
二科展初入選作品-坂本澄子氏

精神的にも経済的にもどん底だった。
そんな時、再び坂本さんを勇気づけてくれたのは自ら絵を描くことだった。
目利きを標榜するなら、画家としても客観的な評価を得なければならない。
そこで、洋画界で定評のある二科展に応募することを目標に決めた。つらかった時期に自分を励ましてくれた、窓から見える風景を描いた作品で、2015年初出品で入選を勝ち取る。
それは大きな励みとなった。

その後も毎年出品を続け、3年連続の入選。作家として制作を依頼されることも出てきた。
 ビジネス上も幾つかの良い転機が訪れた。地道に継続してきたことで、リピーターとなってくれる顧客が現れ、高価な絵画の注文にも繋がった。

また、そんな生き方が、NHK Eテレの『明日も晴れ!人生レシピ』(2017年5月19日放送)で取り上げられると、地方からも問い合わせが来るようになった。

作品納品の日-坂本澄子氏
作品納品の日-坂本澄子氏

今は岐阜のある古民家で、土間を改造した吹き抜けの空間に飾る大型作品の依頼を受けた。
先日1階部分にバリ絵画を納品し、2階部分は自ら作品を手がけるという。
「日々の暮らしを心豊かにするアート」をコンセプトに、今後はさらに扱う作品の幅を広げたいと考えている。
自らも絵を描くことで知り合った若い才能ある日本人画家をアートマーケットに送り出す手伝いもしてみたい。

他業種の営業を長年経験したからこその目線と手法、そしてクリエイターとしての目線を併せた目利きとして、上質なインテリアアートを日本に根づかせる一翼を担っていくことがこれからのビジョンだ。

(文 槇 徳子)

バリアートショールーム トップページ:http://balikaiga.com/
坂本澄子の作品ページ:http://balikaiga.com/imagined-scenery
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槇 徳子(まき のりこ)プロフィール

1964年 名古屋市出まれ。
慶応義塾大学卒業後、名古屋のCBC(中部日本放送)、テレビ東京で合計20年局アナとして勤務。テレビ東京ではニュースモーニングサテライト、クロージングベルなど主に経済・金融情報番組に携わる。
2007年に円満退社の後2008年に株式会社エムシーストラテジーを立ち上げ、PRコンサルタント業に転身。マスコミに「もっと出るべき」経営者や研究者の活躍をサポート、これまで法人では延べ50社以上と契約、個人10人以上のメディアリレーションに携わる。
独立して10年の経験を活かして、人生100年時代に現役シニアを目指す人達の役に立ちたいと目下画策中。