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美しい布の魔法「パッチワーク・キルト」を始めよう!

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パッチワーク・キルトって何?

布と布を縫い合わせて薄い綿を入れ、複雑で美しい模様を作り出すパッチワーク・キルト。
ヨーロッパが発祥ですが、新大陸開拓とともにアメリカに持ち込まれ、産業革命の進展に伴って実用性と装飾性を兼ね備えた手芸として大流行しました。

日本には1970年代後半から80年代にかけてアメリカから輸入されています。
当時は一大ブームとなり、現在でも毎年多数の関連本が出版されるなど人気は健在。
三浦百恵(山口百恵)さんが出展していることでも有名な、世界最大規模のキルトの祭典、「東京国際キルトフェスティバル」も毎年多くの鑑賞客で賑わっています。

手作りのあたたかみにあふれ、趣味として大人気のパッチワーク・キルト。
今回は「東京国際キルトフェスティバル」招待作家、寺井ちなみさんにパッチワーク・キルトの魅力についてうかがいました。

パッチワーク・キルトの種類と基本的な作り方

“花のロンド全体像”
「東京国際キルトフェスティバル」に出品した『花のロンド』。抑えた色合いと緻密な模様が美しいです!1片2メートル近い大作。


パッチワーク・キルトには伝統的なパターンを活かしたトラディショナル・キルトと自由なデザインができる創作キルトの2種類があります。
どちらも使われている技法はそれほど変わりませんが、寺井さんが現在製作しているのは創作キルトです。

今年(2017年)の「東京国際キルトフェスティバル」に出品した『花のロンド』も創作キルトの大作。
キルトだけを写すと小さく見えますが、隣に写り込んだドアと比較すると大きさがわかるのではないでしょうか。

一つ一つのパーツは親指の先ほど、ベースの布の上に型紙でおこした布を針でとめ、「奥たてまつり」というまつり縫いで止めていくのが基本です。
デザインが形になってきたら布同士をつなぎ合わせ、中綿と裏布を重ねて3つの層をまとめて縫うことで、立体的で表情のあるキルトができあがるのです。

こんな風に書くと単純そうに見えますが、『花のロンド』は先に書いたようにとても大きな作品です。
小さなパーツの一つひとつを見ているとこれがどうしたら一枚の布のような大きな作品になるのか不思議に思ってしまいます。

それでも縫い合わせる作業を繰り返していくと、やがて美しい模様が出来上がるのだそう。
細かい作業が膨大にあり、寺井さん自身も始める前は呆然としてしまうこともあるということですが、「とにかく始めてみる」ことが大事だといいます。

「千里の道も一歩からじゃないけど、始めれば出来上がる。その気持ちを信じてね、やるんです。楽しいけど苦しい。苦しいけど楽しい。やりたくない時もあるけど、今日やっておかないとって思って針を持つ。そういう日もある。」
そうやって苦労しながら作るからこそ、達成感はより大きくなるのでしょう。
完成した時の達成感を思えばこそ作品を作り続けることができるのだと寺井さんは笑って話してくれました。

「自分らしくなれる瞬間」であり、「自己表現」

“端切れ”
素材用の端切れ。作品に使えそうなものを常に探しているのだそう。


パッチワーク・キルトを作っている時間は寺井さんにとってかけがえのないものだといいます。
細かい作業が多いぶん、全てを忘れて没頭しているのかと思いきや、そういうわけでもないそうです。

「きちんと縫おうという努力はいつも続けるんだけど、頭の中は結構、今子供が何してるかなとか、あの時はこうだったね、とかって思い出を反芻するようなそういう時間でもある。心が和むっていうか、安らぐのね。なんかこう、自分に戻るっていうと変だけど、ある意味内省的な時間かもしれない。
でもそういうのが好き(笑) 確かに外から見ると内向きな世界ではあるかもしれないけど、人ってそれぞれの性分というかあるじゃない。外に出て発散して気持ちいいっていう人もいれば、一人の時間で考えながら何かをするのが好きな人もいる。私は後者なんだと思います。」

子供の頃からどちらかといえば「大人しい」「もっと積極的に」と書かれるタイプだったという寺井さん。キルトを作っている時間は「自分が自分らしくなれる」瞬間だといいます。

また、生活の中でふとデザインを思いつく瞬間も大切にしているそう。
「デザインをどうしようかっていうのは、布を前にして考えるとは限らない。どこかでふっと思いつくってことがよくあるのね。散歩しててもそうだし、電車から見る街並みをみてもそれはヒントになる。そういう意味では常に頭の中にあるんですね。」

日常のちょっとした瞬間から得たものを活かし、キルトを通して描いていく。
布の質感や、微妙な色合いにこだわって作品を作り、発表する。
寺井さんにとってキルト製作は「大切な自己表現の場」になっているそうです。

一人で作業を進めていくパッチワーク・キルトは、ともすればとても孤独で地味な作業に見えます。
しかし黙々として見える製作途中でも、内面は複雑に動き、豊かな時間が実現されていることがわかりました。

パッチワーク・キルトを始めたい。でももう始めるには遅い?

“ミトン”
小物も作れます!!写真はミトン。


細かい作業が多いため、年齢を重ねてから始めるのは難しいのではないかと思いがちなパッチワーク・キルト。しかし、実はそんなことはありません。

寺井さんが教えている生徒さん3人のうち2人は年上(うち1人は80歳に近いお年だそう!)ですがみなさん楽しく通われているといいます。
「長らく興味がありつつできなかったけれど、偶然機会があって始めてみたら思った以上にできる、楽しい!」そんな風に思っている方が実際にいらっしゃるのです。

「もちろん目の事とか、指が節くれだってきてやりにくいとか、あるんでしょうけど、その辺は気持ちさえあれば上手くやっていけるんです。」
やりたいと思ったら何歳からでも遅くない、寺井さんからも心強いお言葉をいただきました。

優しくかわいらしい雰囲気のもの、個性的で力強いデザインもの、好みに合わせてオリジナルな作品を作れるのがパッチワーク・キルトのいいところです。
コツコツと作業をするのが好きな方にはぴったり、きっとあなただけの特別な作品ができるはず!

また、大判のタペストリーだけでなく、バッグや辞書ケースなど小物も作ることができるといいます
自分で作った愛着のある品物を生活の中に取り入れたら、毎日が楽しくなりそうですね!
ぎゅぎゅっと魅力の詰まったパッチワーク・キルト。新しい趣味として、挑戦してみてはいかがでしょうか。

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