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最先端技術に携わり、いつまでも輝き続ける人

2017年4月8日 | 文:原詩織

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「60を過ぎてまだ働く人」という聞き方はよくない。
年齢を考えて仕事をしているわけではないから。

木下さんにインタビューしたとき、記者が初めに言われたのはこのようなことだった。

「年齢に関係なくいまも尚頑張っている人」とかのほうがいい。

木下さんと話していると、最先端分野について際限なく考え続ける姿、ひとつが完成してもその先にある新しい何かを発見し続け挑戦し続ける姿から、人生で学び続けるということについて深く考えさせられる。

それらはすべて、自ら望んでやっていることであり、“やりたいからやっている。”
そこに年齢という壁はなく、最先端技術と共に木下さんは輝き続ける。

その生き様はどのようなものだったのか。
今尚頑張り続ける木下さんのインタビューを、今回は取り上げていきたい。

AI(人口知能)に携わり始めたきっかけ

「なぜ人間は頭を壊すのか、壊した頭を修復できる手立てはないのか、それを考え始めたのがコンピューターを学び始めたきっかけだった。」

ITの世界ではほとんどのことをやり尽くした木下さんが、20代の頃に学んで現在までやれていなかったのが、サイバネティックス(人間機械論)に関する学問のその先のAI(人工知能)という分野だった。

現在トヨタなどが自動運転等でこの話を進めているが、もっと学問的な部分で話がしたかったという木下さん。

心理学や脳科学、ニューロンの知識なども必要な為、そういった話が専門的にできる東大の先端科学技術研究センターを訪ねた。
今までもそうであったように自分でときの人を探してアポをとり、自分の足で赴いていったそうだ。

「先端科学技術研究センターの教授と懇意にしており、現在でも通っているが、全くの手弁当。要するに、自分への投資。」

報酬などは一切ない。学ぶための自分への投資だとしている。
自分でその分野について学ぶため、AIという技術に寄り添い、確かな理解と発展のために通っている。

IT仙人と呼ばれるほどIT領域の専門家でありながら、現在も常に当時想いからのAIの最先端技術に携わり続けている。

すべては自分がやりたいこと

「ある医者が言っていた。人間は生まれて生を受けるということは、死ぬことを約束されている。死ぬことが決まっているのであれば、やりたいことを我慢する必要はない。」

「一生仕事、生涯現役、といった言葉は嫌い。今までも別に誰かに仕えていたわけではない。現役とかそういうことじゃない。やりたいから今もやるんだ。」
木下さんはこう話す。

サラリーマンではないのだから、定年退職という考え方はない。
まだやりたいことが残っているから、今もやっている。
ある部分でやっていることが完成すると、必ず新しい発見があったり、まだ手をつけていないような先が見えたりもする。
それらをどんどんやっている限り、木下さんにとって、やりたいことに終わりはないのだ。

「そういう道を選んだからには、やはりやりたいことをやっていきたい。」

対話の中で、木下さんが年齢にとらわれている気配は一切ない。
常にありのままに、活き活きとしていて、現在の研究に傾ける熱意が感じられた。
その言葉はむしろ他者に対して、新たな生き方の指標を与えるものである。
やりたいことをやり続ける熱意を持ち続けながら、様々な人生経験から、他者に何か新しい価値観を呼び覚まさせるエネルギーが木下さんの中にはあるのである。

やりたいことには犠牲もある

やりたいことをやるといっても、木下さんは決して綺麗ごとばかり言っているわけではない。

「やりたいことをやるには犠牲がつきもの。例えば、お金は必要だし、家族も養わなければならない。」
木下さんはこう話す。

現在までソフトウェアの企画開発やコンサルティング業務、情報サービスに関するテクニカル・アドバイザー、医療分野の標準化政策や新しい製品の開発など、非常に多くの分野に携わってきた木下さん。
時には、お金の為にやらなければならないこともあった。

木下さんの中では常に目の前のことを一生懸命やってきて、その結果がこのような偉烈として私たちの目に映り、現在の私たちに多くの知恵を与えてくれているのである。

しかし木下さんは、このように目の前のことを一生懸命やること自体が、やりたいことであったと語る。

「妻にも満足してもらいたい。妻にもやりたいことをやらせておく!」

常に与えられた状況の中で自らのやりがいを見つけながら、一緒に暮らす家族にも自由に生きがいを持ってもらいたい。
また、仕事となると嫌なこともあるだろうが、好きなことだとその嫌いなことも我慢できるだろうし、薄れるもする。

AIのこれからと木下さんの想い

「AIはまだこれからの分野で、まだまだ出口が見つかっていない。現在はビジネスにまだなっていないが、ビジネスにできるように頑張りたい。」木下さんはこのように語ってくれた。

いままでは、ビジネスにできるほど世の中がAIの現状についてこられていなかったが、現代になりやっと時代がこれらの技術に届き始めている。

「この年代になってやっと昔AIについてやりたかったことが、形にできるように技術が進歩してきた。」

ようやく時代の変化に伴い、最先端技術を研究するにふさわしい環境が整い始めている。
木下さん自身も、いまやっとお金や生活のためではなく最もやりたかった分野に携わることができているという。

AIがビジネス化すれば、シニアの豊富な知識や経験を後世に残すことも容易にできるようになる。現代の「草食系」の世代に対し「肉食系」のシニアがサポートすることは必須であるとも木下さんは考えており、少子高齢化が進む中で、シニアからいかに若い世代により多くの知恵を残すかは大変重要なテーマである。
AIの技術によって、シニアの知識や知恵が少しでも多く今後に継承されることを期待したい。

「シンプルに生きていこうと思っている。この年になっても頑張っていることを、他人に褒められたり、バカにしたりする人などさまざまいるけど、すべて事実として受け入れ、ありのままに生きている。」

最先端技術に変わらぬ熱意を傾けながら、自分が望み、選んだ道で頑張り続ける木下さん。
やりたいことやりながら、その成果にも、それ自体にも価値を見出す。
際限のない研究をつづけながら、未知の技術と共にこれからも輝き続けてもらいたい。

木下雅善さん

木下雅善

IT仙人と呼ばれるほどIT領域の専門家、また国内の商用インターネットの基地(JPIX)の建設責任者を務め、ときにネットワーク仙人とも呼ばれながら、医療分野では日本式包括医療が始まる2002年から医療の標準化を目的にMEDIS-DC(財団法人医療情報システム開発センター)に同調し、医療データ(標準病名、医薬品名など)の標準DBを作成するなど、医療の標準化支援を開始。
2013年から医療分野の更なるIT活用を促すため、医療ビックデータに対応する医療システムのクラウド化、医療向けネットワークセキュリティ強化、また、地域医療(地域中核病院)のIT活用やインターネット活用から高年齢化社会に対する介護支援のあり方や地方自治体の地域創生の活動に努める。また、技術的な分野ではビックデータに対応としたデータセンターの役割・最適化や活用方法としてのデータマイニング、人工知能の研究活動がある。

サイバネティックスとは:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%8D%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9
先端科学技術研究センター:http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/index_ja.html
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